クリニック開業、医院開業

今回はクリニック開業時のスタッフ採用の方法についてです。

多くの方は大手製薬会社やレセコンの業者の方の進める流れに沿って求人広告を出して、面接を行って・・・という流れでオープニングスタッフを採用しているのではないでしょうか。

クリニック開業時のスタッフ採用で良い人材をどのように募集するかご説明します。

募集状況

開業時の求人への募集状況を見てみるとうまく集まらないことが多いです。
特にパートの方の募集でお子様の送り迎えや夕食の準備等で午前だけの勤務、土曜日の休みを希望する方が非常に多いです。

40~50代のお子様が手離れした方や20~30代でお子様がいない方が午後の診療や土曜日も出勤できる場合が多いですが、特定の方に出勤が偏るとスタッフ同士の不満につながりかねませんし、扶養の範囲内での勤務を希望していると上限を超えてしまうため難しくなります。

最初の募集で希望の人数を集めることができなかった場合は、再度掲載することになりますがその時は「午後勤務できる方」などより詳細な条件を付けます。

そうすれば午前勤務希望の方が同じ求人を見ても、不満につながりにくくなります。クリニックの求人は基本的に近所の方の応募が多く、口コミがとても大切なので求人や面接の対応は特に気をつける必要があります。

求人媒体

医科や歯科などクリニックに特化した求人媒体が良く、製薬会社の方やレセコンの担当者の方から紹介があるかと思います。また、ホームページにも掲載します。

ハローワークも無料なので利用したいところですが、開業時期が近くないと求人が出せないため、開院前の顔合わせ、ユニフォーム合わせ、研修などの準備期間を考えると利用が難しいです。開業後の増員で利用することになります。

顔合わせ後に採用辞退やオープン前の研修中にこなくなってきてしまう方もいる場合があるので、そういった際の対応でもハローワークを利用することになります。

職種別対策

職種に関わらず共通することは労働条件はできる限り詳細に書くようにします。開業時は収入の見込みも立たないので給料を決めにくいこともあります。

しかし、相場と同じ程度にしなければ応募も見込めないため決まっていなければ相場と同じ程度で記載するのも一つの方法です。

その他には労働時間、休日、業務内容、車通勤可能か、社会保険か医師(歯科医師)国保かどうかなどを記載します。

面接で話をすればいいと思われるかもしれませんが、転職を考えている優秀な方は現在の待遇より上がるのか下がるのか、下がるのであればどのくらい下がるのかも気にしています。

他のクリニックでは条件を記載して求人を出しているなかで、労働条件が詳しく書かれていない募集にはなかなか応募が集まりません。そのため、開業後の見通しがわからない部分はありますができるだけ詳しく記載して求人を出しましょう。

勤務していた病院の職員をそのまま採用する際はスタッフとの関係が変わることも気を付けてください。

勤務医のときのスタッフは同僚あるいは上司・部下といった関係ですが、開業後は雇用主と労働者という関係に変わります。

気心の知れた方なので一緒に仕事しやすいこともある一方、関係が変わったことによって見る目も変わり、うまくいかなくなることもあります。

看護師

看護師は転職しても医療機関に転職する方が多いので、相場より給料が高ければ応募を集めることができます。

しかし、開業時は給料を高くするといっても見通しがつかないなか難しいです。そのため給料は最低相場と同程度、福利厚生とやりがいも含めたいところです。

医師国保だと傷病手当金がなかったりして避けれらることもあるので、協会けんぽがおすすめです。

正社員で雇用するのは1~2名になることが多いので、ある程度スタッフをマネジメントして、1からクリニックを運営していくところにやりがいを感じてもらえる方が理想です。

給料以外でも今まで病棟勤務で夜勤をしていたが、日勤だけにしたいというような理由で転職される方もいるので、タイミングよく応募があることもあります。

歯科衛生士

看護師同様、転職時は歯科医院に転職することが多いので、対策も基本的には同じ内容です。

ただ、歯科衛生士の専門学校ではオープニングスタッフの採用、医療法人以外の歯科医院に応募しないよう指導しているところもあるそうで看護師の採用よりさらに厳しい状況です。

理由としては歯科医院はコンビニより多いと言われ、経営が厳しいという点があります。医療法人にするにも原則2年の診療実績があり黒字の診療所という条件があり、医療法人の設立ができないわけではないですが実際に許可を得るのは難しいです。

週休3日にしたり、30~40代の方で育児と両立できるような勤務体系など柔軟に対応して福利厚生面を充実することも考えられます。

看護助手・歯科助手・医療事務・受付

多くがクリニックや歯科医院で勤務する看護師や歯科衛生士に比べ、医療事務等は別の業種でも勤務する職種なため大手企業を含む医療機関以外との比較になります。

通常の企業の事務職と比べると様々な業務があり、少人数で休みもとりにくく、こちらも給料を上げていかないと採用が難しいです。

経験者か未経験か

業務フローなど1から考えていくため経験者は各職種1~2名は必要です。常勤のスタッフはできるだけ経験者を採用したいところです。

医療事務等の職種は全員経験者というのはおそらく難しいでしょう。未経験の方がいてもオープニング前研修があるのでそちらで対応する、またはオープン直後の来院数が少ないうちに経験者とペアで勤務して覚えてもらうといった方法で進めていくことになります。

オープン直後は上記のように対応できるため、必ずしも全員経験者を集めなければいけないわけではありません。冒頭で記載した、午後や土曜日の診療時間にシフトに入れる方が少ないのでシフトを埋めるのを優先することをおすすめします。

まとめ

今回紹介した内容はコロナ前の状況で記載していますがハローワークなどの求人状況を見ても、求人を出している医療機関はたくさんあります。また、このような状況下では現在勤務している方も転職を決心しづらい状況にあり、開業時のクリニックの採用が厳しい状況はおそらく変わらないかと思われます。

オープニングスタッフの面接では1回しか面接しないことが多いのでなかなか人物像を見分けることも難しいですが労働条件をしっかり書き、どういったクリニックでどのような診療方針なのかといったことで求職者に魅力を感じてもらえる求人票の作成が大切です。

社労士オフィスサンライズでは今回ご紹介したような開業時の採用支援、労働条件の相談、就業規則の作成等サポートしております。

どのように求める採用像を決めるか、労働条件はどれくらいがいいかわからないということがあるかと思います。そのようなときは人事労務の専門家である社労士(社会保険労務士)にお気軽にご相談ください。