経営力向上計画

経営力向上計画は補助金を検討する際に準備しておいたほうがいいことを書いた記事で紹介しました。

経営力向上計画は、自社の経営力を向上するために設備投資やマネジメントの向上を実施する計画で、認定を受けることで中小企業等経営強化法に基づく支援など様々なメリットを受けられます。

先端設備等導入計画と違い、必ずしも認定支援機関のサポートが必要なわけではないので自社で策定しようと思えばできます。しかし、経営力向上計画は業種によって窓口や記入内容が異なり、申請書の作成が少しややこしいです。

また、様式の変更が多い印象があります。以前手続きをした際に、数日前に様式変更されていて書類を再度作成にすることになり、苦労した経験があります。必ず前日も様式の変更がないか確認をしておきましょう・・・

先端設備導入計画の手続きを紹介したので、経営力向上計画の手続きも同じような流れで紹介します。

計画策定のメリット

税制支援、金融支援、補助金審査での加点は先端設備等導入計画にあります(一部内容は異なります)が、それらに加え法的支援があります。

税制支援

法人税(個人事業主の方は所得税)について、取得設備の即時償却又は所得価額の10%の税額控除いずれかの選択適用ができます。

ちなみに経営力向上計画を策定していなくても、中小企業投資促進税制に基づき30%の特別償却又は7%の税額控除は利用できます。策定することで追加の支援措置の利用ができるようになるということです。

クリニックや歯科医院で注意していただきたいのが、医業関係の業種も認定を受けることはできますが、現時点で医療機器は基本的には対象にならないため、税制支援は受けることができません。ただ、電子カルテは対象になるようです。

対象になるものは「機械装置」にあたるもので、医療機器は「器具備品」に該当するために対象にならないようです。

対象であれば先端設備等導入計画の税制支援、設備取得にかかる助成金の利用も併用できるので、可能であれば併用していきましょう。

金融支援

設備の取得に際して融資を受ける場合に、日本政策金融公庫による低利融資、信用保証協会の特別枠の拡大などの支援があります。

補助金審査の加点

ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金など補助金審査での加点があります。

補助金の公募前に認定を受けていないと加点対象にならないものもあるので、まだ認定を受けていない方はひとまず出しておいたほうがよいでしょう。

設備購入の予定ができたなど計画に変更があれば、あとから変更申請を出して税制支援等を受けることもできます。

法的支援

許認可の承継や事業譲渡に伴う免責的債務引受けの特例などがあります。

また、税制支援の項目でとばしてしまいましたが、事業譲渡に伴って土地や建物を取得する際の登録免許税や不動産取得税の軽減措置もあります。

中小企業の経営者の高齢化に伴い、事業承継、M&Aが注目されていますが、それらの取り組みが行いやすくなるような支援が用意されています。

手続きの流れ

先端設備等導入計画と同じく、一番初めにすることは工業会の証明書を取得することです。

こちらはA類型の設備だけですが取得後60日以内に認定を受ければ税制支援の適用は特例でできます。B類型とC類型の設備は取得前に申請する必要があります。

取得=購入でありません。以前窓口に確認したときは、取得=事業で使えるようになったときで、工場内に設置してあっても、使える状態でなければ取得にならないという回答でした。担当の窓口や今後の取扱いで違う場合もあるかもしれませんので、取得の期間が微妙なときは必ず窓口に確認しておきましょう。

事業分野と提出先(エクセルファイルのダウンロードです)

経営力向上計画策定の手引き

税制措置・金融支援活用の手引き

中小事業主側はおおむね以下の流れになります。B類型やC類型は利用頻度が低いためA類型を基準にしています。A類型の設備は先端設備等導入計画の対象設備にもなります。

①メーカーへ工業会への証明書の依頼・取得
コンクリートポンプ車、ショベルカー、エアコン、食品製造設備など様々な設備で証明書がありました。証明書の発行が可能かメーカーにご確認ください。

②担当窓口に計画申請・認定
標準処理期間は30日となっています。愛知県で3,4種類の窓口に提出したことがありますがどの窓口も比較的早いです。

③設備の取得

④税務申告時に認定書の写しを添付して申告
すべてが税制優遇の対象となるわけではないので、税理士の先生に依頼するなど事前に確認をしておきましょう。

申請書の記入

事業別分野指針

冒頭で先端設備等導入計画に比べて少しややこしいというお伝えしました。業種ごとに事業分野別指針が策定されており、その内容を踏まえて記入するとなっていることが理由です。

事業分野別指針及び基本方針(中小企業庁ホームページ)

自社が該当する事業分野の指針を見て生産性の指標、取組内容を申請書に記入しなければいけません。

生産性の指標では例えば、建設業の指針の2ページに「2 経営指標」があり、一~三の指標いずれかを選択して記入します。

建設業の事業分野別指針(抜粋)

また、取組内容では例えば、製造業の指針の5ページに「2 経営力向上の内容に関する具体的事項」があり、イからトの取り組みを選択して記入することになります。

製造業の事業分野別指針(抜粋)

上記のように、事業分野ごとに指針が用意されているのでそれぞれ読み込んで申請書を作成するため、記入内容が少しわかりづらいです。

経営力向上計画の計画期間は3年間か5年間となっていますが、おすすめは5年間です。生産性の数値も5年間の方が達成しやすいですし、計画の認定を受けた後5年間有効になります。

申請書を作成するときに便利なツールがあります。

各経済産業局で提供されているエクセルの様式です。

※この様式で提出できるのは経済産業局が窓口の業種なので、該当しない業種ではあくまで参考でご利用ください。

この様式を利用して内容を作り、転記することで経営力向上計画を策定しやすくなります。

5か年の計画を入力するフォームもあり、生産性の指標も計算方法が同じ業種であれば利用できます。

ツールや資料はあるものの、担当窓口によって審査の甘辛もあり細かいところもあります。

不安なところがあれば当オフィスでもご依頼を承っております。

設備によっては経営力向上計画だけでなく、助成金の取組対象になるものもあります。

また、生産性の向上にはクラウドシステムの導入がおすすめです。補助金や助成金というテーマではなく、生産性の向上という内容でご相談いただいてもかまいません。

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